何かをリスタートするときに人びとの意見聴取をするのはいい。しかし、ちゃんと意見のある人と手ぶらの人とを平等に扱うのでは、まったく儀礼的なものになるしかない。ちゃんと考えて意見を持っている人には、あとでディープインタビューをすべきであろう。とことん聞き出していけば、軌道修正も可能になる。何も考えていない手ぶらの人の意見を尊重するというのは、つまり操作可能な人たちをもって正当性を担保するという、役人にはよくあるやり方で、それでもってハードコアを封じる戦術的な方法に他ならない。しかし、それではリスタートする意味がない。道を誤る。「手ぶらの人」を相手にするのは、民主的でも何でもなく、たんなるごまかしである。