自己紹介の仕方『ゼミ入門』より

■自己紹介する
デビューには気を使うべきだ。第一印象はけっこうモノを言う。それをくつがえすのは、けっこうたいへんだったりする。
だから、クラスや基礎演習のような単位での自己紹介は、とても貴重なチャンスである。大学生になれば、そのうちサークルや合コンでの自己紹介のようなものもこなさなければ一人前にはなれない。その第一歩である。これがやがて丸3年後の就職活動につながる。
「自分をプロデュースする」と考えればよい。べつに仮装人格(仮想人格)を演じるというのではない。「盛ってる」とか「自慢してる」と、多くの学生がそう見られることを過剰に怖れて「無作為な自分」を提示する。過剰に空気を読み合う時代の若者なので仕方ないとは同情するが、それではすぐに限界が来てしまう。「無作為な自分」なんて、他人から見れば、たいてい「つまらない人」だからである。
クラスなどでの公式の自己紹介の場合、次の選択肢から、いくつかをみつくろって提示してみよう。
(1)自分の名前の特徴・由来・これまでのニックネーム(自分も気に入っているものだけでよい)
(2)どこから来たか(育った地域・通った学校・その特徴)
(3)どうしてこの大学・この学部へ来たか(進学理由・ちょっとした事情・入学ルート・エピソード1・エピソード2・・・)
(4)どういう人か(性格らしきもの)
(5)これまでの活動(部活・委員・勉強)
(6)マイ・フェイバリット・シングス(私のお気に入り)
(7)何をしたいか・どうなりたいか・夢・あえての決意表明
(8)同級生・教員へのメッセージ(愛を込めて)
こういうことを「くだらない」と言うことなかれ。自分の基本情報である。これから手探りでおつきあいを始めようというのである。相手がどういう人なのか、どこまで自己開示をしているのか、信頼できるのかを判断するのであるから、ここは真剣勝負なのである。言いたくないことは言わなくてもいいし、不利になることは隠していていい。それを同級生に明かすときに友情が試されるのであろう。秘密はここぞというときに公開されるためにある。その上で強調したいのは、最初に言うべきことを言わなかったために縁が結べないままになってしまうことは避けるべきだ。だから、自己開示をできるだけ最初にやっておくことである。「恥ずかしいんですけど○○が好きです」でもかまわない。

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